【柔軟性コラム②】歳を取ると身体のどこが硬くなるの?

特に固くなる部位は3つ

歳を取ると、からだの様々な部位が硬くなることは説明しました。では、特にどこが硬くなるのでしょうか。このことを知っておけば、柔軟性を改善する部位の“的”を絞ることができます。
特に硬くなる部位は 、主に「体幹」「股関節」「ひざ」の3つです。

歳を取ると、これらの部位は伸びる方向への可動性が小さくなるのです。このため、各々の部位が曲がる方向に変形してきて、伸ばすことができなくなっていきます。


上図の姿勢を見てください。この姿勢って、よくみるお年寄りの姿勢ではないですか。これがまさに「体幹」「股関節」「ひざ」が曲がってしまっている姿勢です。この姿勢になっている自分を想像して、あなたはどう思いますか。こうなる前に予防したいと誰もが思いますよね。

また、こうなってしまった後も何とか少しでも改善したいと誰もが思うものです。こうなってから改善することは決して不可能ではないのですが、最善策はこうならないように事前に予防することなのです。

相互に関連している3つの部位


「体幹」「股関節」「ひざ」の曲がりは相互に関連し合っています。例えば、腰を丸めた姿勢をとってください。そうすると、股関節やひざも自然に曲がってしまうのが分かります。

また逆に、ひざと股関節を軽く曲げた姿勢をとってみてください。そうすると、腰が丸まってしまうのが分かります。

つまり、硬さが1箇所に生じてしまうと、その影響は他の部位にも必ず及ぶことになります。このため各々の関節が硬くならないように、予防とチェック方法を知っておくことは、とても重要なことだと分かります。

若さを保つ秘訣は○○!


若さを保つ秘訣は、これらの部位が曲がってくることを予防し、伸びた状態を維持することです。つまり、上図で示すように「体幹が伸びる」「股関節が伸びる」「ひざが伸びる」の3つの角度をできる限り維持することが重要となります。

ここで【3分間簡単チェック】をもう一度見直して、ご自分の関節の硬さを確認してみましょう。

この3つを維持できている人は、運動機能をかなり維持しやすいといえます。実際に、私はたくさんの中高年以降の患者さんを診てきましたが、これら3つの部位が曲がってくると急激にからだの機能が落ちてくることを日々感じています。逆に、これらの部位の曲がりを改善すると、からだの機能がとても良くなることもとても多く経験します。

3つの部位の柔軟性を維持するためのエクササイズ

園部 俊晴

園部 俊晴そのべ としはる

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理学療法士。コンディション・ラボ(インソールとからだコンディショニング専門院)所長。足・膝・股関節など、整形外科領域の下肢障害を専門としている。故、入谷誠の一番弟子。一般からスポーツ選手まで幅広く支持され、、多くの一流アスリートや著名人などの療術も多く手掛ける。身体の運動連鎖や歩行に関する研究および文献多数。著書多数。新聞、雑誌、テレビなどのメディアにも多く取り上げられる。また、運動連鎖を応用した概念は、専門家からの評価も高く全国各地で講演活動を行う。

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