リハビリの先生は健康寿命を伸ばす専門家!?

互いに関係し合う3つの機能


歳を取ると、内臓も、運動機能も、頭の機能もすべてが衰えていくのは事実でしょう。これらは各々単独で衰えていくわけではなく、相互に関連し合っています。

例えば、内臓が悪くなれば、食事がとれなくなったり、呼吸が苦しくなったりして、活動性は一気に低下します。このため、運動機能も、頭の機能も当然衰えていきます。こうした影響は、運動機能についても同様です。

運動機能が衰え、歩くことがままならなくなれば、運動しなくなることで内臓は弱っていき、人や社会との関わりが少なくなっていくので、
頭の機能もどうしても衰えやすくなります。頭の機能の低下も、からだの機能や内蔵の機能に影響を及ぼすことは言うまでもありません。

つまり、健康寿命を延ばすためにこれらすべてのことが重要なのです。その中でも、自分自身の意思や努力によって最も維持しやすいのは、運動機能であると私は考えています。

運動機能を改善することの重要性

運動機能を維持することによって、からだの多くの機能が維持しやすくなるといえます。

例えば運動機能を維持し健康な活動性を保っていれば、食欲も湧くので内臓機能も維持できます。

また新陳代謝を活発にし、血流も維持できることから、血管の病気を予防することにもつながります。

つまり、脳卒中や心臓病の予防にもつながっていくわけです。さらには人や社会との関わりについても、運動機能が維持されていれば、自分の意思で参加することもでき、頭の機能が衰えることを予防することにもつながるでしょう。

このような理由から、運動機能を維持することは健康寿命にとても大きな意味を持っています。しかも、それは自分自身の意志で維持できるのですから、その方法を知っておくことはとても重要であることが分かります。

運動機能の専門家は理学療法士

それでは運動機能が衰えないようにするためにはどうしたら良いのでしょうか。そのためには、加齢に伴って衰えていく運動機能が何であるかを知っていることがとても大切です。

このことを一番知っている人は誰だと思いますか?

医師も、看護師も、厚生労働省の役人もそれをよく知る職業だと思いますが、中でも最もよく知っているのは、実はリハビリの先生(理学療法士)だと私は考えています。

なぜなら、我々リハビリの先生(理学療法士)は、老若男女を問わず、毎日たくさんの人の運動機能を改善させる仕事をしています。

そしてリハビリの先生(理学療法士)は、歳を取ると「どこが硬くなるのか」「どこが弱くなるのか」「どこが変形してくるのか」「どの機能が衰えていくのか」、そういったことを医療的観点で一番よく知っている職業なのです。

園部 俊晴

園部 俊晴そのべ としはる

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理学療法士。コンディション・ラボ(インソールとからだコンディショニング専門院)所長。足・膝・股関節など、整形外科領域の下肢障害を専門としている。故、入谷誠の一番弟子。一般からスポーツ選手まで幅広く支持され、、多くの一流アスリートや著名人などの療術も多く手掛ける。身体の運動連鎖や歩行に関する研究および文献多数。著書多数。新聞、雑誌、テレビなどのメディアにも多く取り上げられる。また、運動連鎖を応用した概念は、専門家からの評価も高く全国各地で講演活動を行う。

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